映像制作業界の先輩たちにもの申したいことがあります。
それは、あまりにも設備で売ってこられた、ということです。
つまり、カメラが一日使用料**円ですよ。それにオペレーターがつきます。その人件費は一日**になります、という売り方です。
機械が先、人が後という売り方です。
そのツケが今になって、映像制作業界に襲いかかっています。
私が映像制作業界に入った頃は、ビデオカメラというのはン百万するものでした。
そのカメラにつけるレンズもン百万。併せて1千万超えるなんてのはザラでした。
満足な画質を得られるのは、そうした高価なカメラしかありませんでした。
だから、そういう営業の仕方をしたのでしょう。
今、ヨドバシカメラで5万円くらいで売っている、家庭用のビデオカメラも非常に画質がよくなりました。
おそらく、そのカメラで撮った画像を、御社の製品のプロモーションに使っても、画質が悪いというクレームはこないでしょう。
こうした技術がフィードバックされて、業務用のビデオカメラも価格が安くなっています。
カメラは安くなりました。しかし、だからといってカメラマンの人件費が安くなっていいのですか?
安いカメラだからこそ、それを十分に使いこなせる”わざ(技・業) “が必要だとは思いませんか?
写真の世界では、映像の世界ほど極端ではないと思います。
誰もがカメラを持っている。それこそ、毎日携帯している電話の中にもカメラが搭載されています。
それでも、プロの写真家、カメラマンに対してはそれなりの費用がかかることを、そしてある場面ではそれだけの費用を出すことを納得しているはずです。
映像の世界でもプロの”わざ(技・業) “に対して、それなりのお金を払っていただけることを期待します。