人材採用における新しい流れとして注目されているのが、対面での面接の前にオンライン面談を行うことです。
この方法は採用プロセスの効率化だけでなく、企業と求職者双方にとって多くのメリットをもたらします。
オンライン面談を導入することで、地理的な制約を超えた人材との出会いや、より深い相互理解が可能になります。
本記事では、オンライン面談の基本から実践方法まで、役立つ情報をお伝えします。
第1章 オンライン面談の基本

コロナ禍以来、オンライン会議など、インターネットを通じたビデオ通話はすっかりお馴染みになりました。
対面で本格的面接する前に、求職者と会社がお互いを知るための機会としてオンライン面談をするようにしてはいかがでしょうか。
最近のノートPCなどであればカメラやマイクは間違いなく備わっています。
スマートフォンやタブレットで行うこともできます。
ソフトウェアとしては、Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどが一般的に使われています。
これらのツールは基本的な機能なら無料で利用でき、操作も簡単です。
日程調整も、メールのやり取りをして調整するのは手間と時間がかかります。
日程調整専用のオンラインツールが便利です。
Calendly、eeasy、TimeRexなどを使えば、何度もメールをやり取りする手間が省けます。
これらのツールでは、面談可能な時間帯をあらかじめ設定しておくことで、求職者が都合の良い時間を自分で選べるようになります。
企業側も求職者も、時間を有効に使えるのがメリットです。
第2章 オンライン面談を行う意義
オンライン面談は、単に対面面接をリモートで行うものではありません。
互いをよく知り合うための「出会いの場」と考えるべきです。
求職者にとっては、まだ志望するかどうかが決まっていなくても気軽に参加できるようにしましょう。
会社の事業について質問したり、具体的な仕事内容を確かめたりする機会になります。
「この会社に必ず入りたい」という強い意志がなくても、ちょっと興味を持った程度でも、話を聞いて見られるわけです。就職説明会のブースでの会話をオンラインでする、みたいなものでしょうか?
企業側にとっては、自社の魅力をアピールする絶好の機会です。
なにしろ相手は、興味を持ってくれているのです。
自社の事業内容や独自の社風、働き方などをアピールするチャンスになります。
また、求職者の人柄や考え方を知る最初のステップにもなります。
オンライン面談では、お互いに気軽な気持ちで対話することが大切です。
硬い面接の雰囲気ではなく、フランクな会話を通じて相互理解を深めましょう。
第3章 オンライン面談で期待できる効果
求職者にとって最大のメリットは、移動時間や交通費をかけずに企業と接点が持てることです。
就職説明会や会社見学のために遠方まで足を運ぶ必要がなくなります。
そのため、より多くの企業の情報を効率よく集められるようになります。
地方在住の方でも、都市部の企業とつながりやすくなるのは大きな利点です。
視野を広げて様々な選択肢を検討できるため、キャリア選択の幅が広がります。
企業側にとっては、多様な人材との出会いの機会が増えることがメリットです。
地理的な制約が減ることで、遠方の優秀な人材とも接点を持てます。
また、気軽に参加してもらえるようにすれば、まだ就職先を絞り込んでいない段階の人材とも接触できます。
結果として、採用活動の裾野が広がり、より良いマッチングの可能性が高まります。
さらに、本格的な面接の前に基本的な相互理解ができるため、その後の採用プロセスの効率化にもつながります。
不要なミスマッチを減らせるため、採用コストの削減効果も期待できます。
第4章 効果的なオンライン面談のやり方
まず大切なのは、アイスブレイクです。
アイスブレイクというのは「氷を溶かす」という意味ですが、緊張した気持ちをほぐすことです。
最初の5分程度は、天気の話や最近あった出来事など、リラックスできる話題で会話を始めましょう。
「今日はどんな一日でしたか?」といった簡単な質問が効果的です。
まずは、求職者の側から質問をさせてあげてください。
知りたいことがあってオンライン面談を申し込んで来ているのですから、その知りたいことを伝えてあげましょう。
求職者が納得したようなら、企業の魅力や仕事内容の紹介をしてみましょう。
ただし一方的に説明するのではなく、対話形式で進めることが重要です。
「弊社のどんな点に興味を持たれましたか?」
「仕事内容について気になることはありますか?」
など、質問を織り交ぜながら進めましょう。
面談の目的は「すぐに採用に進める」ことではなく「会社について知ってもらうこと」です。
面談の最後には「興味があれば、ぜひ会社見学に来てください」と次のステップへの招待をするくらいにとどめておきましよう。
何があっても、入社を無理強いしないこと。
オンライン面談での基本マナーも押さえておきましょう。
背景が散らかっていないか、顔が真っ暗になっていないか、事前に確認しておきます。
背景が雑然としていたら、オンライン会議ツールの「バーチャル背景」を使えば隠すことができます。
背景には名刺のように名前と担当が入っていると、相手が理解しやすいでしょう。
顔が真っ暗になっていたら、光の当たる向きが悪いので、方向を変えるか照明を顔に当てるようにします。
服装はふだん会社で勤務している格好でけっこうです。
ユニフォームが作業服ならそのままで面談しましょう。
音声に雑音が混じると会話がしづらいので、静かな環境で行うのがベストです。
可能ならイヤホンやヘッドセットの使用をおすすめします。
面談の時間は30分程度が理想的です。
(たとえばZOOMの場合、無料プランですと40分で会話が切れてしまいます)
最初と最後に5分ずつのアイスブレイクと締めくくりの時間を含めて設計しましょう。
予定時間を厳守することも、お互いへの敬意を示す大切なポイントです。
まとめ
オンライン面談は、対面面接の前段階として非常に有効なツールです。
気軽に参加できる環境を整えることで、より多くの求職者との接点を持つことができます。
企業の魅力を伝え、求職者の人柄を知る貴重な機会として活用しましょう。
効果的なオンライン面談を実施するためには、リラックスした雰囲気づくりと対話型のコミュニケーションが鍵となります。
採用活動の幅を広げ、より良いマッチングを実現するために、ぜひオンライン面談を取り入れてみてください。
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