三陽工業株式会社(https://sanyou-ind.co.jp/)は、兵庫県明石市に本社をおく、製造業と製造派遣事業の2つの事業をしている会社です。
この会社は、人手不足の時代にTikTok(ティックトック)やYouTube(ユーチューブ)を使って若い人材を集めています。
中高年が多い業界で、なぜこんな若者向けのSNSを使うのか?
どんな内容の動画を出して、どんな成果が出たのか?
今回は、三陽工業のユニークな採用戦略について、4つのポイントでわかりやすく紹介します。
第1章:SNSを始める前の悩み
三陽工業は、自動車の部品などを作る製造業の会社です。
社員数は1500人ほど。中堅クラスの会社です。
しばらく前までは、中途採用がメインでした。
でも、これからの時代を考えて、新卒の若い人たちも採用しようと決めたんです。
ただ、製造業は「古い」「固い」というイメージがあります。
若い人にとっては、あまり魅力的に感じないこともあります。
そのため、説明会をしてもなかなか集まりませんでした。
「もっと若者に知ってもらいたい」
そう思って、SNSを使った発信を始めることにしたのです。
第2章:なぜTikTokやYouTubeを選んだのか?
SNSといってもいろいろあります。
三陽工業が選んだのは、TikTokとYouTubeでした。
TikTokは、短い動画をスマホでサクサク見られるアプリです。
今の10代や20代が毎日見る人気のSNSです。
このアプリを見ていた採用担当の小杉さんは、ふと思いました。
「うちの会社も、ここに出れば見てもらえるかも」
そして、TikTokのアカウントを立ち上げました。
同時に、長めの動画をアップできるYouTubeも使い始めました。
TikTokで興味を持ってもらい、YouTubeでさらに詳しく伝える、という流れです。
「若い人が毎日見る場所に、会社のことを出す」
これが、新しい採用戦略のスタートでした。
第3章:どんな動画を出しているの?
動画の内容は、とにかく「おもしろい」ことが基本です。
たとえば、三陽工業には「おじさんTikTok」という人気シリーズがあります。
50代や70代の社員たちが、ダンスをしたりゲームをしたりする動画です。
最初は、「こんなことやって大丈夫か?」と社内でもざわついたそうです。
でも、やってみたら大成功。

「会社が楽しそう」
「社員同士の仲がよさそう」
という声がたくさん届きました。
毎日投稿を続けていて、土日もお休みなし。
コメントにも全部ていねいに返信しています。
こうした地道な活動が人気につながりました。
YouTubeでは、会社の紹介や社員へのインタビューなどを出しています。
TikTokは入り口、YouTubeは説明。うまく役割を分けています。
第4章:実際にどんな成果が出たのか?
TikTokのフォロワーは、今では6万人を超えました。
1つの動画で300万回以上見られたこともあります。
採用への影響もハッキリ出ています。
説明会に来た学生の7割が「TikTokを見て知った」と答えました。
内定を出した新卒のうち、約4割はTikTokがきっかけだったそうです。
中途採用でも、TikTokがきっかけという人が増えました。
面接で「動画見ましたよ!」と言ってくれる若者がとても多いそうです。
さらに、社内の雰囲気も変わってきました。
動画を作るために、社員同士の会話が増えたんです。
部署の垣根を越えて、協力しながら動画を作るようになりました。
つまり、SNSの活用で
「若者に知ってもらえた」
「応募が増えた」
「社内も元気になった」
という三拍子そろった成果が出たのです。
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