もしも「この世に刃物がなかったら?」というifの世界を描いたムービー。

岐阜県関市といえば、刀匠関の孫六から続く刃物の町。カミソリで有名な貝印刃物もここですし、ナイフのガーバーサカイなどさまざまな刃物メーカーが集結しています。

そんな関市が作ったムービーは、刃物をひたすら見せようとするものではなくて、反対に「もしも刃物がなかったら」どんなに不便なのかを描くという、逆説的な発想で作られたもの。

ダウンロード野菜を手刀で叩ききろうとする主婦、ひげを剃る代わりにガムテープで抜こうとする男、お客の髪を歯で食いちぎる美容師など、シュールな光景がスローモーションで重ねられていきます。

ここで、このムービーの特徴は、最後まで刃物を見せようとしないこと。

刃物のPRなのに刃物が登場するのは、「刃物のない、人生なんて」というキャッチコピーの回りに象徴的に配置されたアイコン的な刃物だけなのです。

「あえて最後まで見せない」という決断。これはすごい決断だと思いますよ。