採用マーケティングと採用ブランディングの違いとは?

魚釣り
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「いい人材が全然来てくれない…」
「求人を出しても応募者が少なくて困っている」

そんなお悩みを抱えている中小企業の経営者の方、多いのではないでしょうか。

採用を活性化させる試みには「採用マーケティング」と「採用ブランディング」があります

この二つの違いをわかりやすく解説し、中小企業が取り組むべき採用戦略についてお話しします。

目次

第1章 採用マーケティングと採用ブランディングの基本的な違い

採用マーケティングは「魚釣り」

採用マーケティングは魚釣りみたいなもんです。

釣りに行くならまず「どんな魚を釣りたいか」を決めますよね。
マグロを釣りたいのか、アジを釣りたいのか、それともクエのような高級魚を狙うのか。

決まったら、その魚に合わせた釣具を用意します。
餌も、その魚が好むものを選んで、撒き餌でおびき寄せる。
そして狙った魚を釣り上げる。

これが採用マーケティングの考え方です。

「こういう人材が欲しい」と決めて、その人たちが集まりそうな求人サイトに掲載したり、魅力的な求人広告を作ったり、SNSで情報発信したり。
つまり、狙った人材をピンポイントで「釣りに行く」活動なんです。

採用ブランディングは「入江の環境を整える」

一方、採用ブランディングは全く違うアプローチです。

「この入江に魚がやってくるようにしよう」と考えて、入江の環境そのものを整えていく活動です。

テレビ番組「鉄腕DASH」のDASH海岸のコーナーを見たことがある方なら、イメージしやすいかもしれません。
TOKIOをはじめとする出演者は、横浜のとある海岸を舞台に海中の環境を丁寧に整えているんです。

海藻を植えて、魚の住みやすい環境を作る。
岩場を整備して、小魚が隠れられる場所を作る。
水質を改善して、魚が快適に過ごせるようにする。

その結果、自然と魚が入江にやってくるようになりました。
魚釣りも格段に楽になる。

これが採用ブランディングの本質です。
会社自体を「魚(人材)が集まりたくなる場所」にするんです。

両者の違いをまとめると

  • 採用マーケティング:狙った人材を積極的に探しに行く「攻めの採用」
  • 採用ブランディング:人材が自然と集まってくる環境を作る「引きの採用」

どちらも大切ですが、長期的な視点で考えると、採用ブランディングの方が持続可能で効果的な採用戦略と言えるでしょう。

第2章 中小企業にこそ採用ブランディングが必要な理由

有名企業は最初からブランド力がある

トヨタ、ソニー、楽天といった有名企業は、すでに強力なブランド力を持っています。
「あの会社で働けるなら」と思ってもらえる土台が、もともとあるんです。

でも、中小企業の場合はどうでしょうか?

正直なところ、ほとんどの中小企業にはそもそも「ブランド」というものがありません
求職者にとって「知らない会社」なんです。

知らない会社には応募しにくい

求職者の立場になって考えてみてください。

同じような条件の求人が二つあったとします。
一つは聞いたことがある会社、もう一つは全く知らない会社。
どちらに応募したくなるでしょうか?

ほとんどの人が、知っている会社を選びますよね。

つまり、中小企業は「知られていない」という大きなハンデを背負って採用活動をしているんです。

だからこそ企業の魅力を積極的に発信する必要がある

このハンデを乗り越えるために必要なのが、採用ブランディングです。

「うちの会社はこんなにいい会社なんです」
「こんな風に成長できる環境があります」
「社員はこんな想いで働いています」

こうした情報を継続的に発信することで、少しずつでも会社の魅力を知ってもらう
それが中小企業にとって、とても重要な戦略なんです。

第3章 中小企業でもできる採用ブランディングの進め方

採用ブランディングって聞くと、「大手企業がやるもの」「お金がかかりそう」と思われがちですが、実は中小企業でも十分に取り組めます。

ステップ1:会社の強みと魅力を発掘する

まずは、自分の会社の良いところを洗い出してみましょう。

  • 社長の想いや会社の理念
  • 働いている社員の想い
  • お客様から感謝された体験
  • 他社にはない技術やサービス
  • 働きやすい環境や制度

意外と「当たり前」だと思っていることが、実は大きな魅力だったりします。

ステップ2:採用ペルソナを明確にする

「どんな人に来てもらいたいか」を具体的に決めます。

年齢、経験、スキル、価値観、ライフスタイルまで、できるだけ詳しく設定してください。
「30代前半の営業経験者で、チームワークを大切にする人」といった感じです。

ステップ3:響く求人コンセプトを作る

採用ペルソナが「この会社で働きたい!」と思うようなコンセプトを作ります。

例えば、
「一緒に地域を盛り上げませんか?
「あなたのアイデアで会社を変えてください」
など、その人の心に刺さるメッセージを考えてみましょう。

ステップ4:ストーリーを作る

コンセプトをベースに、感情に響くストーリーを作ります。

実際の社員の成長体験や、お客様との感動的なエピソード、会社の歴史や将来への想いなど、をもとにします。

求職者が共感できる物語を用意します。

ステップ5:様々な媒体で発信する

作ったストーリーを、いろんな方法で発信していきます。

  • 会社のホームページやブログ
  • SNS(Twitter、Instagram、Facebook)
  • 求人サイトの会社紹介欄
  • 会社見学や説明会での話
  • 既存社員による口コミ

お金をかけなくても、継続的に発信することで効果は必ず現れます。

第4章 採用ブランディングは会社全体のブランディングと地続き

一貫性が何より大切

採用ブランディングを考える時に忘れてはいけないのが、会社全体のブランディングとの一貫性です。

お客様に対しては「真面目で誠実な会社」をアピールしているのに、採用では「自由でクリエイティブな会社」をアピールする。 これでは、ちぐはぐになってしまいます。

会社のコアな価値観や理念は一つであるべきです。 それを、相手(顧客・求職者・社会)に応じて、伝え方を変えるのが正しいアプローチです。

社内ブランディング効果も期待できる

実は、採用ブランディングには思わぬ副効果があります。
それは、既存の社員にとっても会社を見つめ直すきっかけになることです。

「うちの会社って、こんなにいい会社だったんだ」
「改めて、誇りに思える会社で働いているんだな」

採用ブランディングのプロセスを通じて、社員のモチベーション向上や定着率の改善にもつながることがよくあります。

つまり、採用ブランディングは単に「外に向けた活動」ではなく、「社内に向けた活動」でもあるんです。

まとめ 長期的な視点で採用力を高めよう

採用マーケティングは比較的即効性がありますが、採用ブランディングは時間がかかります。
でも、だからこそ価値があるんです。

一度しっかりとした採用ブランドを築けば、継続的に優秀な人材が集まってくる「入江」を作ることができます。

中小企業だからこそ、一人ひとりの社員の顔が見える温かい会社の魅力を伝えられるはずです。

今日から少しずつでも、自分の会社の魅力を発信していきませんか?
きっと、素敵な人材との出会いが待っているはずです。

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