私がいつも心がけていることのひとつに「いつでも最初から考えよう」ということがあります。
これは、パターン化した仕事のしかたをしないこと。
ちょっと経験を積んでいれば、仕事をパターンで捉えがちになります。
たとえば会社案内ビデオの発注を受けたとしますね。世間によくある会社案内ビデオのフォーマット、そういうものに当てはめて考えがちになります。
類型があれば仕事にしやすいですからね。メーカーさんであれば、代表的な製品を紹介するコーナー、工場を見せるコーナー、歴史を訴えるコーナーなどを適当に配置して、オープニングをカッコよくしてあげれば、それなりに仕上がります。
最初に設計図があって、そこに当てはめるようなものです。
いわば、思考のテンプレート。
でも、よく考えてみてください。会社はひとつひとつ違いますよね。
その会社のもっともアピールしたいところは何でしょう? たとえば技術力? 技術といっても、技術開発力と生産技術力はちがいますよね。
テーマは毎回違うんです。パターンに当てはめて考えたら、そういった違いが死んでしまう。
だから、手間がかかっても「いつでも最初から考えよう」と思うんです。
経験を積んだ目で会社を見てあげると、「この会社はここがすばらしい」「この会社はこういうところをアピールしてあげると魅力的にみえる」というのが見えることがあります。
そこから考え始めるんです。そして一件一件オーダーメイドで考えてあげよう。
それが私のやり方です。
そうはいっても、ついついこれまで経験してきたパターンに押し込んで考えがちになるもので、そこは自戒です。