AI技術の進化により、求職者の情報収集方法が大きく変わりつつあります。
従来のGoogle検索から、AIへの直接相談にシフトしてきているのです。
その結果、企業にとっては、ネット上での情報発信がこれまで以上に重要になる時代が到来しています。
第1章 私がAIに「相談」していることに気づいた瞬間
最近、ChatGPTの有料プランを解除しました。
今はGeminiとClaudeだけ有料プランを使っています。
それぞれの特徴に合わせた使い分けをしています。
Geminiでは、主にディープリサーチなどを使って調べ物をすることが多いです。
そして日本語の文章能力が高いClaudeで文章を書かせることが多いです。
(この文章もまずClaudeに下書きさせています)
ある時、Geminiの入力欄を見ていたら、 そこには「Geminiに相談」と書かれていることに気づきました。
なるほど、確かに最近AIに相談をすることが多いなと思いました。
これまで何かを知りたい時は「検索」していました。
でも今は「相談」している自分がいるのです。
この変化は、私だけの話ではないでしょう。
AIを使いこなすようになった、多くの人がAIに相談をしているはずです。
第2章 検索から相談へ 行動パターンの大きな変化

インターネットが普及して以来、情報を得る方法はだいたい決まっていました。
Google検索でキーワードを入力て検索をします。
その情報が書かれているサイトを見つけて読むという流れです。
そのため企業は検索で上位に表示されるよう工夫してきました。
これをSEO(検索エンジン最適化)と呼びます。
Googleの検索結果で1位に表示されるよう、Webサイトの内容や構造を調整する技術です。
しかし、AIが発達すると状況が変わってきました。
何か困ったことや知りたいことがあると、AIにそのことを相談するようになったのです。
AIは情報源であるWebサイトに導くことなく、解決法を直接教えてくれます。
これは大きな変化です。
検索という「探させる」行為から、相談という「尋ねる」行為への転換なのです。
第3章 AIに慣れた求職者はこう行動する
田中さん(仮名)は転職を考える29歳のエンジニアです。
残業が多い今の会社を辞めて、もっとワークライフバランスの良い会社に転職したいと思っています。
以前なら「エンジニア 転職 ワークライフバランス」でGoogle検索していたでしょう。
転職サイトをいくつも見て、会社のホームページを調べていたでしょう。
でも今の田中さんは違います。
ChatGPTやGeminiなどのAIチャットを開いて、こんな風に相談します。
「年収500万円以上で、リモートワーク可能で、残業時間が月20時間以下のIT企業を教えてください。
できれば大阪市内で、従業員数100人以上の安定した会社がいいです」
AIは瞬時に条件に合う企業をリストアップしてくれます。
さらに田中さんが具体的な会社名を思い浮かべた時も、AIに相談します。
「株式会社○○について教えてください。
働きやすさや社風、将来性はどうですか?」
するとAIはこんな風に回答します。
「株式会社○○は従業員数約150名のIT企業ですね。
複数の口コミサイトによると、フレックスタイム制度があり働きやすいという声が多く見られますよ。
社風はベンチャー気質で風通しが良く、若手にも裁量権が与えられる傾向にあるようです。
ただし、急成長中のため業務量が多い時期もあるそうです。
クラウド事業が好調で前年比30%の売上増を記録しています。
将来性については大丈夫でしょうね」
AIはその会社のホームページに導くのではなく。
ネット上にある情報や評判を探し出して教えてくれるのです。
第4章 企業が今すぐ始めるべきネット戦略
ここで重要なポイントがあります。
AIはリアル社会における会社の実際の様子を知りません。
ネット上にある情報だけで回答するのです。
つまり企業側としては、ネット上にいかに自社の情報を露出させるかが重要になります。
求人への影響が今まで以上に大きくなるということです。
ネット上に何も情報発信しない会社はどうなるでしょうか。
求職者にとっては存在しないも同然になってしまいます。
AIが参照できる情報がなければ、AIは紹介できないからです。
具体的に企業がすべきことは以下の通りです。
自社の採用専用サイトで働く環境や制度を詳しく紹介することです。
社員の声や一日の流れなども積極的に掲載しましょう。
SNSでの情報発信も効果的です。
採用情報だけでなく、社内イベントや社員の活動も発信します。
ブログやnoteなどで社風や価値観を伝えることも大切です。
求人サイトへの詳細な情報掲載も忘れてはいけません。
給与や休暇制度だけでなく、キャリア支援制度や研修制度も具体的に書きましょう。
いかにネット上で自社をブランディングするかが、今後の人材採用の鍵を握ります。
AIが求職者に紹介したくなる会社になることが、これからの企業には求められているのです。
検索の時代から相談の時代へ。
この変化に対応できる企業が、優秀な人材を獲得できる時代になったのです。
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