企業の魅力や価値を伝えるにはストーリーが有効だ、ということは別の記事でお伝えしました。
→あなたの会社にもある感動の物語:ブランドストーリーの作り方
しかし、ストーリーを書くということはなかなかに難しいことです。
多くの人が、物語は持っていながら、それをストーリーとして伝えることができません。
そこで、ChatGPTに頼んで、ブランドストーリーを作るためのプロンプトを作ってもらいました。
あなたの物語をストーリー(文章)にする
ブランドストーリーを作るには、ストーリーフォーミュラがあると便利です。
フォーミュラというと、フォーミュラ1(F1)を思い出しますか?
実はフォーミュラという言葉は「型」という意味です。
フォーミュラ1というのは、1番上の「型」(規格)という意味ですね。
つまり、ストーリーには型があるわけです。
その型に当てはめて書けば、文章のうまくない人でも感動的な物語を書くことができるんです。
今回採用したのは、こんな型です。

8つのステップで、創業前から今にいたる物語、そして求職者への呼びかけまでをストーリーとして書きます。
こういう「型」が存在するということは、実際に書くことはChatGPTなどのAIにまかせても、そこそこ上手い文章を書いてくれます。
もちろん会社経営者といっても、自分で創業した人の物語と、先代社長から継承した人の場合はちがいます。
今回は創業者バージョンということで、このストーリーを書くプロンプトを作ってもらいました。
あなたのブランドストーリーを書いてくれるプロンプト(創業者用)
プロンプトは「シナリオ型プロンプト」といいます。対話型チャットではなくて、一度ChatGPTなどのチャット入力欄にコピペするだけで、自動的に働くようにできています。
あなたは“優秀なインタビュアー兼ストーリーテラー”として、中小企業の創業者が人材獲得を目的としたブランドストーリーを作るお手伝いをしてください。
書くストーリーは、求職者の心を揺さぶり、入社の動機を生み出すような内容が求められます。
ストーリーの構成には、以下の8ステップを使ってください。――――――――――――――
【ストーリーフォーミュラ:8ステップ】
1)創業前
2)創業のきっかけ
3)創業時の苦労
4)見つけ出した理念
5)軌道に乗った会社と仲間たち
6)訪れた危難
7)現在の繁栄
8)次はあなた
――――――――――――――ストーリーは「私」を主語にした一人称で、です・ます調で書いてください。
最終的には3000文字~3500文字ほどの長さにまとめてください。【あなたの役割】
1)ステップごとに必要な情報をユーザーに質問します。
- 質問は一問一答形式で進めてください。
- 質問をまとめて一度にすべて表示しないようにしてください。
- ユーザーが回答したら、次の質問へ進みます。
2)すべてのステップの質問と回答が完了したら、
ユーザーに「ストーリーを書いてください」と指示された段階で、
ここまでの回答をもとに8つのステップを含む物語風の文章を執筆します。
- 文中では、創業の背景や想い、苦労、転機、そして現在の会社の魅力を熱意を込めて語ってください。
- 最後に求職者へ向けて「私たちと一緒に働きませんか?」と強く呼びかける結びを入れましょう。
- 文章の長さは、3000文字~3500文字を目安にしてください。
- 書き上げたら文字数をチェックして、範囲外なら加筆・削除で調整してください。
【進行イメージ】
【情報収集フェーズ】
――――――――――――――
◆ ステップ1:創業前
<質問例>
1)創業前、どのようなお仕事や活動をしていましたか?
2)当時、どんな思いや葛藤を抱えていましたか?
――――――――――――――◆ ステップ2:創業のきっかけ
<質問例>
1)会社を立ち上げようと思った動機は何ですか?
2)どんな出来事、あるいは転機があったのでしょうか?
――――――――――――――◆ ステップ3:創業時の苦労
<質問例>
1)創業当初、どんな困難や苦労がありましたか?
2)どのようにして乗り越えましたか?
――――――――――――――◆ ステップ4:見つけ出した理念
<質問例>
1)数々の経験を通して、どのような経営理念を大切にするようになりましたか?
2)その理念をもとに、会社としてどんな価値を社会に届けたいですか?
――――――――――――――◆ ステップ5:軌道に乗った会社と仲間たち
<質問例>
1)事業が軌道に乗りはじめたと感じた瞬間はいつでしたか?
2)増えた仲間たちとはどのようなエピソードがありますか?
――――――――――――――◆ ステップ6:訪れた危難
<質問例>
1)創業以来、最大のピンチはどんなものでしたか?
2)社員同士の絆でどのようにそれを乗り越えましたか?
――――――――――――――◆ ステップ7:現在の繁栄
<質問例>
1)現在の会社の強みや独自のポジションはどこにあると思いますか?
2)その強みをどのように築き上げてきましたか?
――――――――――――――◆ ステップ8:次はあなた
<質問例>
1)求職者に向けて、どんなメッセージを送りたいですか?
2)入社するとどのような未来ややりがいが得られると思いますか?
――――――――――――――【ストーリー執筆フェーズ】
すべてのステップの質問が終わり、ユーザーから「書いてください」と依頼されたら、
以下の点に留意してブランドストーリーを書いてください。1)文章は「私」を主語にした一人称で語り、創業者自らが体験を振り返って話す形式にします。
2)企業としての魅力や、実際に働く現場の熱量、未来への可能性をしっかりと盛り込みます。
3)共感しやすく、読みやすい語り口を心がけつつ、求職者に入社を決意させる情熱的なラストにしてください。
4)3000文字~3500文字に収まるようにバランスを調整してください。これで準備は整いました。
あなたはステップ1から順番に質問を開始し、
ユーザーの回答をもとに最終的なストーリーを仕上げてください。それでは始めましょう。
このプロンプトをコピペしていただくと、ChatGPTがインタビューライターとして、あなたに取材をはじめます。

質問が表示されますから、できるだけていねいに詳しく答えてあげてください。
AIはあなたの回答をもとに文章を書きますから、情報量を多く与えてあげることが、良い文章を書いてもらうコツになります。
ステップ8までの質問が終わりましたら、あなたが「書いてください」と指令するとブランドストーリーが表示されます。
実際に出力されたブランドストーリー例
ちゃんと作動するかどうか、試しに私が架空の会社経営者になりかわって質問に答えてみました。
すると、こんなブランドストーリーが出力されました。
私たちの挑戦、そして、次はあなたへ
私はかつて、大手の商社で営業マンをしていました。
扱っていたのは機械部品。海外との貿易業務にも携わり、営業部の課長として充実した日々を過ごしていました。しかし、どこかでずっとくすぶっていた思いがありました。
実は私は大学では工学を学び、エンジニアになるつもりでした。
営業の仕事もやりがいはありましたが、「自分の手で何かを作りたい」という気持ちはずっと心の奥にありました。
人生は一度きり。ならば、自分のやりたいことに挑戦すべきではないか。そう考えるようになっていきました。そんなとき、運命的な出会いがありました。
仕事を通じて、ひとりの技術者と知り合ったのです。
彼は素晴らしいアイデアを持っていながら、会社にその価値を認めてもらえず、起業を考えていました。
話していくうちに、私たちは意気投合しました。
「この技術を世に出すべきだ」
私はそう確信し、彼と一緒に会社を立ち上げる決意を固めたのです。最初は、彼が起業して、私が勤めていた商社でその製品を取り扱うという構想もありました。
しかし、会社は技術の価値を認めながらも、取り扱いを許してはくれませんでした。
そこで私は決断しました。会社を辞めて、この技術とともに生きていこうと。もちろん、創業は順風満帆ではありませんでした。
まず資金がありません。
会社員だった私たちは、開発資金の工面に奔走しました。
私は営業経験を活かして、銀行やファンド、あらゆる可能性を探し続けました。そんな中、ひとつのファンドとの出会いがありました。
彼らは私たちのプレゼンに真剣に耳を傾け、技術の将来性を見抜いてくれました。
彼らからの出資が決まり、ようやく開発に本腰を入れることができたのです。やがて私たちは気づきました。
自分たちが開発している技術が、環境保護に大きく貢献するものだということに。当時は、今ほど環境問題に世の中の関心が高まっていなかった時代です。
それでも私たちは、「企業活動と地球環境の両立」を理念に掲げました。
便利さを追求する一方で、地球を壊していては意味がない。
その矛盾を、私たちの技術で解消できると信じていました。実際に、私たちの製品は工場の排水から有害物質をほぼ100%除去できる性能を持っています。
目立たなくても確実に社会に貢献できる。
それが私たちの誇りです。初めて製品を採用してくれたのは、ある大手メーカーでした。
何社にも断られ、門前払いも経験したなかで、その会社は「こういう技術を待っていました」と歓迎してくれました。
環境への意識を共有できた瞬間でした。
その導入実績が信頼となり、他の企業にも門戸が開かれていきました。生産体制を整えるために、自社工場を設立し、社員も増えました。
最初はみな「環境」にあまり関心を持っていなかったように思います。
しかし、私が繰り返し理念を語り続けるうちに、
「自分たちの作っているものは、社会と地球の未来に貢献している」
そう理解してくれるようになったのです。私たちは、仲間にも恵まれました。
営業・生産・開発、それぞれの部門が壁を作らず、同じ方向を見て進む文化が根付きました。
どのプロジェクトにも、3部門から代表者が入り、議論しながら物事を進めています。
「製品」を超えた「作品」として、みんなで創り上げる姿勢があるのです。けれど、順調な時ばかりではありませんでした。
ある日、私たちの製品を導入していた大手メーカーが排水公害で訴えられる事件が起きました。
私たちの製品が処理を担当していた工程だったため、当社にも疑いの目が向けられました。
進んでいた商談は白紙に戻され、返品の話も出ました。しかし、私たちは自分たちの技術に絶対の自信がありました。
大学と連携し、実地調査を行い、データで安全性を証明しました。
その調査結果をもとに裁判で反論し、最終的にメーカーと当社の無実が認められました。
あのときのチームの団結は、今思い出しても胸が熱くなります。現在、私たちは業界の中で技術的な評価をしっかりと確立しています。
価格は少し高めですが、その分の性能と信頼性は間違いありません。
国の認定も取得し、今では少しずつですが、シェアも拡大しています。私たちの製品がより多くの企業で使われるようになれば、
この地球はもっときれいになると信じています。そして、今。私たちは次のフェーズに挑戦しようとしています。
それは、海外市場です。環境問題に国境はありません。
だからこそ、私たちの技術も国境を越えて役立てたいのです。
そのためには、共に挑戦する仲間が必要です。挑戦を恐れず、一緒に世界に出て行ける人。
地球環境に本気で向き合いたい人。
私たちは、そんなあなたを待っています。当社では、10年かけて人を育てる覚悟があります。
エンジニアも、営業職も、グローバルなプロフェッショナルとして育成していく研修体制があります。
語学研修や、海外出張のチャンスもどんどん増えています。10年後、あなたはきっと「世界を舞台に働く自分」になっているはずです。
さあ、私たちといっしょに、未来をつくりませんか?
いかがですか? 一流のライターが書いたものと比べては失礼でしょうが、そこそこ使える文章ではないですか?
一度文章ができたら縮めるのは自在
最初の文章は、3000~3500文字の範囲で書くように、プロンプトの中で指示をしています。
この文字数は、いろいろな場所で使うにはちょっと長すぎると思うかもしれません。
でも、これくらいの長文ができてしまえば、あとはChatGPTに指示するだけで縮めるのはすぐにやってくれます。
たとえば、「500文字のバージョンをください」と言って出てきたのがこれです。
私は元・商社の営業マンでしたが、「自分でモノをつくる仕事がしたい」との想いから、技術者と共に起業しました。
地球環境を守る革新的な排水処理技術を武器に、資金調達や営業の苦労を乗り越え、大手メーカーへの採用を機に軌道に乗りました。
一時は公害訴訟に巻き込まれる苦難もありましたが、チーム一丸となり科学的証明で信頼を回復。
現在は、国内で高い技術評価を得ており、次の目標は海外進出です。
私たちは、10年かけてグローバルに通用する人材を育てる覚悟があります。
熱意を持ち、世界に挑みたいあなたを、心から歓迎します。
こんな具合に、いくらでも縮めることができます。
SNSのプロフィール欄などにある文字数制限の範囲内の文章もすぐ作ってくれます。
今回は創業者バージョンですが、事業を継承した方のバージョンも作っていきます。
出来たらこのブログに掲載しますので、ご期待ください。
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[…] 以前に、あなたのブランドストーリーをChatGPTに書かせるプロンプトを紹介しました。→「ChatGPTがあなたのブランドストーリーを作ってくれる(創業者篇)」この時は、創業者という想定で作ったので、事業を継承した二代目、三代目社長むけのプロンプトもご紹介せねばと思っていました。 […]