ファネルという言葉を聞いたことがありますか?
マーケティングや採用活動で重要な概念です。
今回は「ファネル」の基本から応用まで、わかりやすく解説します。
特に採用活動での活用法に焦点を当てていきます。
第1章:ファネルとは「漏斗」のこと
ファネルは英語で「漏斗(ろうと)」という意味です。
キッチンで使う漏斗(じょうご)をイメージしてみてください。

どのキッチンにもひとつはあるじょうご
上部は広く、下に行くほど細くなっていく形状をしています。
この形がマーケティングや採用のプロセスと似ているのです。
最初は多くの人が入口に集まりますが、段階を経るごとに人数が減っていきます。
最終的には少数の人だけが出口にたどり着く仕組みなのです。
ビジネスの世界では、この漏斗型のプロセスを「ファネル」と呼びます。
顧客獲得や人材採用など、様々な場面で活用されています。
マーケティングファネルとAIDAモデル
マーケティングでは、ファネルは顧客の購買行動を表すモデルとして使われます。
最も有名なのが「AIDAモデル」です。

AIDAとは以下の4段階の頭文字を取ったものです。
A(Attention:注意)- 商品やサービスに気づいてもらう段階
I(Interest:興味)- 興味を持ってもらう段階
D(Desire:欲求)- 欲しいと思ってもらう段階
A(Action:行動)- 実際に購入してもらう段階
ファネルの上部では多くの人が「注意」の段階にいます。
しかし段階を下るごとに人数は減少していきます。
例えば1000人が商品に気づいても、実際に購入するのは10人かもしれません。
このような顧客の減少を「コンバージョン率」で表します。
マーケティングの目的は、各段階でのコンバージョン率を上げることです。
つまり、より多くの人をファネルの下まで導くことが重要なのです。
採用ファネルの考え方:質の高い人材を獲得するために
マーケティングと同じように、採用活動にもファネルの概念が適用できます。

画像でも示されているように、採用ファネルは3つの階層に分けられます。
第1階層:応募者の母数を増やす
採用ファネルの最上部は、とにかく多くの応募者を集める段階です。
この段階では2つの重要な施策があります。
1つ目は求人サイトの最適化です。
Indeedや求人ボックスなど複数のサービスを活用しましょう。
2つ目はSNS動画による誘引です。
動画コンテンツは強力な集客ツールとなります。
求人情報は魅力的な表現で応募者の心を掴むことが大切です。
「一緒に成長できる環境です」より「月間成長率20%の企業で一緒に挑戦しませんか」のほうが具体的で魅力的です。
第2階層:動画でスクリーニング
次の段階では、応募者の質を見極めるスクリーニングを行います。
ここでは動画を活用することがポイントです。
精鋭人材に共感される動画を用意しましょう。
ポジションの魅力や会社の強みを具体的に表現します。
また、職場の雰囲気や仕事の風景なども見せると効果的です。
これにより自社にふさわしくない人材を自然とフィルタリングできます。
有能な人材が「ここで働きたい!」と思えるような内容にすることが重要です。
反対に「自分には合わないかも」と思う人は自然と離れていきます。
第3階層:面談で選定
ファネルの最下部では、面談によって最終選考を行います。
ここでの目標は2つあります。
1つ目は精鋭人材を見分けることです。
面接技術を向上させ、候補者の本質を見抜く力を養いましょう。
2つ目は企業のファンを作ることです。
たとえ採用に至らなくても、候補者があなたの会社のファンになれば将来の応募や紹介につながります。
面談数は減らしつつも、採用の質と数を増やすことができるのが理想的です。
これにより採用担当者の負担も軽減されます。
採用ファネルの効果的な運用
採用ファネルを効果的に運用するためのポイントをいくつか紹介します。
まず、各段階でのコンバージョン率を測定しましょう。
「応募者のうち何%が面談に進んだか」
「面談者のうち何%が採用されたか」
などのデータを収集します。
次に、ボトルネック(最も効率の悪い部分)を特定します。
例えば面談から採用への移行率が低ければ、面談方法の改善が必要かもしれません。
そして、継続的な改善を行いましょう。
定期的にプロセスを見直し、より効率的な方法を模索することが大切です。
まとめ:労力をかけずに精鋭人材を獲得する
採用ファネルの最大の利点は、効率的に質の高い人材を獲得できることです。
多くの応募者を惹きつけ、その中から選別して精鋭人材を選び出すプロセスを体系化できます。
重要なのは、この選別プロセスを人的労力に頼るのではなく、適切なツールや仕組みで自動化することです。
動画によるセルフスクリーニングなどの手法を活用すれば、採用担当者の負担を減らしながら質の高い採用を実現できます。
あなたもぜひ採用ファネルの考え方を取り入れ、効率的な人材獲得を目指してみてください。
正しく設計されたファネルは、あなたのビジネス成長の強力な武器となるはずです。
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