「また新人が辞めた」と嘆く前に知っておきたい事実があります。
早期離職者の半数は正社員として再就職し、さらに在職中の正社員の約4分の1が転職を検討しています。
これらの層をうまく活用できれば、人手不足解消の突破口となります。
SNSを使った新しいアプローチで、隠れた人材の宝庫を掘り起こしましょう。
第1章 早期離職者は消えてなくなるわけではありません
「また新人が辞めてしまった」
そんな嘆きを口にする経営者は数多くいます。
しかし、その早期離職者がその後どこへ行くのか考えたことがあるでしょうか。
実は早期離職者の大半は、再び働く場所を見つけています。
リクルートワークス研究所の調査によると、大学卒業後に初職を3年未満で離職した人の半数(50.0%)が正社員として再就職しています。
さらに4人に1人(24.7%)が非正規雇用として働いています。
つまり約4分の3が何らかの形で就業を続けているのです。
10人に1人(10.8%)だけが働いていない状態にあります。
早期離職イコール働く意欲がないというのは間違いです。
彼らは単に最初の職場が合わなかっただけで、働く意欲は十分にあります。
問題は企業側がこの事実を知らないことです。
早期離職者を「根性がない」「すぐ辞める」と色眼鏡で見てしまいます。
しかし実際には、彼らの多くが次の職場で安定して働いています。
これは企業にとって見逃せない人材プールです。
第2章 第二新卒は「経験という武器」を持っています
新卒採用では中小企業は分が悪いです。
知名度も条件も大企業には敵わないからです。
しかし第二新卒と呼ばれる若い転職者なら話は違います。
彼らには最初の職場という物差しがあります。
この物差しこそが中小企業にとって大きなチャンスになります。
新卒者は理想と現実のギャップに戸惑うことが多いです。
一方、第二新卒者は社会人経験を通じて現実を知っています。
過度な期待を抱いていない分、職場に馴染みやすいです。
また基本的なビジネスマナーは身についていると思われます。
研修コストも新卒より抑えられます。
重要なのは最初の職場と比べて「より良い職場」だと感じてもらうことです。
前職の不満点を解消できる環境を提示すれば採用は難しくありません。
労働政策研究・研修機構の調査では、勤続1年以上の経験がある離職者の正社員復帰率は高いです。
つまり一定期間働いた経験がある人材ほど採用価値が高いのです。
中小企業こそ、この第二新卒市場に積極的に参入すべきです。
第3章 職場にいながら転職を考える「隠れた転職者」たち
さらに見逃してはならない層があります。
今は安定した職についていながら転職を意識している人たちです。
この「条件付き転職希望者」は想像以上に多いです。
パーソル総合研究所の調査では、就業者の23.4%が「他の会社に転職したい」と考えています。
地方中小企業の従業員に限ると38.4%にまで跳ね上がります。
彼らは今の職場に何かしらの不満や不安を抱えています。
主な不満は「給与の低さ」「人間関係」「会社の将来性」です。
重要なのは、彼らが積極的に転職活動をしているとは限らないことです。
「より良い職場があれば転職してもいい」という受け身の姿勢でいます。
この層をうまく掘り起こすことができれば人材の宝庫になります。
現在働いているため即戦力として期待できます。
社会人としての基礎スキルも身についています。
転職理由も明確なので、その不満を解消する条件を提示すれば採用につながりやすいです。
総務省の統計では転職希望者が1035万人いる一方、実際の転職者は325万人です。
つまり700万人以上が転職のタイミングを待っているのです。
この巨大な潜在市場を活用しない手はありません。
第4章 SNSで潜在転職者にリーチする新戦略
これらの潜在的転職者層には問題があります。
彼らは必ずしもIndeedなどの求人媒体を見ていません。
積極的な転職活動をしていないからです。
そこで注目すべきがSNSです。
若い世代のメインの情報収集手段はSNSです。
TwitterやInstagram、TikTokで情報を得ています。
SNSに彼らの心を捉える情報を発信できれば、潜在転職者との出会いの場になります。
具体的には以下のような発信が効果的です。
社員の働く様子や職場の雰囲気を動画で紹介します。
給与や福利厚生の具体的な内容を透明性高く発信します。
経営者の人柄や会社の将来ビジョンを語ります。
既存社員の転職体験談や成長ストーリーを紹介します。
重要なのは採用色を前面に出さないことです。
「採用情報」ではなく「会社の魅力」として発信します。
潜在転職者は押し付けがましい採用活動を嫌います。
自然な形で会社の良さを伝えることが重要です。
またSNSの特性を活かしたインタラクションも大切です。
コメントや質問には丁寧に答えます。
フォロワーとの関係性を築いていきます。
こうした積み重ねが信頼関係を生み、やがて採用につながります。
まとめ 人材不足を逆手に取る発想転換
人材不足の時代だからこそ発想を転換しましょう。
早期離職者や潜在転職者は決してネガティブな存在ではありません。
適切にアプローチすれば豊かな人材の鉱脈になります。
大切なのは彼らの立場に立って考えることです。
なぜ転職を考えるのでしょうか。
何を求めているのでしょうか。
どんな情報に触れているのでしょうか。
これらを理解した上で戦略的にアプローチします。
SNSを活用した情報発信もその一つの手段です。
従来の採用手法にとらわれず、新しいチャンネルを開拓しましょう。
人材不足という課題を逆手に取り、競合他社が気づいていない人材プールを活用します。
それが中小企業の生き残り戦略になります。
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