人材不足が深刻化する中、多くの中小企業が人材紹介会社や転職エージェントに頼っています。
しかし、高額な紹介手数料を支払っても思うような結果が得られず、頭を抱えている経営者も多いのではないでしょうか。
本記事では、人材紹介会社に依存することの問題点を明らかにし、採用ブランディングで理想の人材を獲得する方法をご紹介します。
第1章 人手不足につけ込む人材紹介業界の荒稼ぎの実態
日本の深刻な人手不足。
この社会課題につけ込んで、質の悪い人材紹介会社や転職エージェントが荒稼ぎしているのが現実です。
2025年現在、国内には約29,000社もの人材紹介会社が乱立しています。
市場規模は年間約8,362億円という巨大ビジネスに成長し、前年度比8.6%の成長を続けています。
なぜこれほど多くの業者が参入するのでしょうか。
答えは驚異的な利益率にあります。
人材紹介会社の利益率は平均20%前後です。
一般的な製造業や小売業が5〜10%であることを考えると、異常に高い数字です。
この高利益率を背景に、大手人材紹介会社は派手なTV-CMや広告宣伝に巨額を投じています。
有名タレントを起用したCMを見ない日はありません。
「転職するなら○○」といった甘い言葉で求職者を誘引し続けています。
しかし、この華やかな宣伝の裏で泣いているのは中小企業です。
年収の30〜35%という高額手数料を支払っても、有効な結果が得られないケースが多発しています。
年収400万円の人材を採用すれば、120万円〜140万円もの手数料が発生します。
人材紹介会社は当然ながら、条件の良い大企業の案件を優先します。
知名度に欠け、大企業と同等の待遇を提供できない中小企業の案件は後回しにされがちです。
つまり中小企業は高額な手数料を支払いながらも、満足のいく結果を得ることが難しいのです。
第2章 人材紹介会社・転職エージェントの深刻な弊害
実際に人材紹介会社を利用した企業では、様々なトラブルが報告されています。
高額手数料を支払ったのにミスマッチが発生
ある中小企業では、経理スタッフ採用のため年収の30〜35%という高額な紹介手数料を支払いました。
しかし入社した人材は期待したスキルを満たしておらず、うつ病が再発し早期退職しました。
紹介料の返金は一切されませんでした。

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返金を巡るトラブルが多発
別のケースでは、紹介経由で入社した人材が数日で体調不良を理由に休職し、4か月後に退職しました。
契約上の返金保証期間は「入社後3か月以内」でしたが、退職が4か月目となったため返金されませんでした。
紹介人材の質に対するクレーム
小売業界では、紹介された販売スタッフの接客態度が悪く、就業3日目で企業側からクレームが入りました。
研修不足のまま現場に送り出されたスタッフは、基本的な接客マナーができていませんでした。
企業側は早期解雇せざるを得ませんでしたが、紹介料の返金はされませんでした。
聞いていた条件と実際の条件が違う
転職エージェント経由で内定した技術職の男性は、事前に「年収○○万円以上で残業も少ない」と説明されていました。
しかし実際は提示された給与額を下回り、残業も想定以上に多いことが判明しました。
本人が人事部に相談すると「弊社はそのような条件を提示した覚えはありません」と困惑。
責任のなすりつけ合いが始まり、本人は入社2か月で退職しました。
これらの事例から明らかなように、人材紹介会社に依存することは多くのリスクを伴います。
第3章 採用ブランディングというアプローチ
人材紹介会社に頼らずに優秀な人材を獲得する方法があります。
それが採用ブランディングです。
採用ブランディングとは、自社の良いところを洗い出し、採用したい人材が会社のミッション・ビジョンに共感して応募してくれるようにすることです。
これは単なるテクニックではありません。 いわば「会社と求職者のお見合い」です。
求職者が自分をアピールするように、会社側も自社の魅力をアピールし、求職者から選ばれる努力をします。
採用ブランディングは、会社の良いところ悪いところを棚卸しするところから始まります。
良いところは具体的なエピソードや数字で言語化してアピールします。
悪いところははっきり認めて改善することで、選ばれない理由を消していくことができます。
第4章 採用ブランディングがもたらす5つのメリット
1. 知名度不足の克服
動画SNSやYouTubeチャンネルで自社の技術力を発信し、業界内での認知度を高められます。
2. 良質な人材が集まる
会社の理念に共感する優秀な人材が集まり、自社にとって価値ある人材を獲得できます。
3. 早期離職の防止
入社前に会社の実態を理解してもらえるため、期待値のズレが生じにくく、ミスマッチによる早期離職を防げます。
4. 採用コスト削減
人材紹介会社への高額手数料が不要になり、年収400万円なら120万円〜140万円のコスト削減効果があります。
5. 社内の士気高揚
自社の強みを再確認することで社内の結束力が高まり、既存社員のモチベーション向上にもつながります。
まとめ
人材紹介会社に莫大な費用を支払い続けることは、もはや持続可能な採用戦略ではありません。
採用ブランディングと動画SNSを活用したアプローチなら、効果的で持続可能な人材獲得が実現できます。
自社の価値観に共感する優秀な人材を低コストで採用し、早期離職も防げます。
今こそ人材紹介会社への依存から脱却し、自社の魅力で勝負する採用戦略に舵を切りませんか。
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