採用動画の制作には相応の費用と時間がかかります。
しかし、その投資は本当に効果を上げているでしょうか。
最新調査で明らかになったのは、求職者が見たい動画と企業が作る動画の深刻なギャップです。
本記事では、2025年採用動画トレンド調査をもとに、投資を無駄にしない効果的な動画の作り方を解説します。
株式会社moovy「【採用動画トレンド調査2025】採用動画は「認知から内定承諾段階にまで」効果あり!求職者の8割以上が見る時代」の内容に基づきます。
第1章 あなたの会社の採用動画、本当に効果を上げていますか?
「プロに依頼して立派な採用動画を作った」
「採用サイトに掲載している」
だから動画による採用活動は万全
—本当にそうでしょうか。
採用動画の制作には、数十万円から数百万円の費用がかかります。
撮影の調整、社員の時間、編集作業—多くのリソースを投入しているはずです。
しかし、その投資が効果を上げていないとしたら。
求職者が動画を見ても応募につながっていないとしたら。
それは単なる自己満足になってしまいます。
形だけの採用動画を公開しても、求職者の心には届きません。
なぜなら、求職者が「見たい動画」と企業が「作っている動画」には大きなズレがあるからです。
株式会社moovyが実施した「採用動画トレンド調査2025」は、この事実を明確に示しています。
調査によれば、直近1年間に就職・転職活動を行った人のうち、約8割が採用動画を視聴しています。
求職者誰もが採用動画を見る時代が確実に到来しているのです。
しかし注目すべきは、視聴本数です。
最も多いのは「2本」が34.2%、「3本」が25.5%でした。
つまり求職者が企業の動画を見るチャンスは、わずか2〜3本に限られているのです。
さらに重要な発見があります。
採用動画は、企業が一方的に魅せるツールではなくなりました。
視聴タイミングを見ると「比較検討段階」が58%、「応募段階」が49.3%です。
つまり求職者は動画を使って「この会社は自分に合うか」を見極めているのです。
高い費用をかけて作った動画でも、求職者の判断基準に合っていなければ、むしろ応募を遠ざける可能性すらあります。
採用動画は「作ったから万全」ではありません。
求職者の視点で設計されているかが全てなのです。
第2章 調査で明らかになった致命的な3つのギャップ
ギャップ1:求職者が見たい動画と、企業が作っている動画の深刻なズレ
求職者が「動画だからこそ見たい」と答えた内容のトップ3は以下の通りです。

第1位は「1日の流れ」
第2位は「職場の雰囲気」
第3位は「既存社員の入社理由」でした。
一方で企業が作りがちなのは「会社説明」や「事業紹介」です。
このギャップは数字ではっきりと表れています。
「1日の流れ」は、見たい人と実際に見た人の差が8.7ポイントもありました。
「職場の雰囲気」は4.0ポイント、「入社理由」は2.9ポイントの差です。
このギャップが意味することは明確です。
求職者は会社の理念や事業内容より「自分がそこで働く具体的なイメージ」を知りたがっているのです。
さらに世代別でも違いがあります。
20代は、仕事のやりがいや会社全体の情報をバランスよく求める傾向があります。
自分の希望と一致するかを重視しているのです。
一方、30代以降は職場の雰囲気や1日の流れなど、ミスマッチ防止の視点が強く見られました。
立派な会社紹介動画を作っても、求職者が本当に知りたい「等身大の情報」がなければ、判断材料として機能しません。
これが第1のギャップです。
ギャップ2:世代によって全く違う動画の見方を無視している
動画を見る場所は、全体ではYouTubeと採用サイトが上位でした。
しかし世代別に見ると、大きな違いがあります。
20代はX(旧Twitter)から動画にたどり着く人が相対的に多いのです。
30代は企業の公式サイトでじっくり比較する傾向があります。
40代はYouTubeでの視聴比率が高くなっています。
「採用サイトに動画を載せておけば大丈夫」という発想では、ターゲットの世代に届かない可能性が高いのです。
これが第2のギャップです。
ギャップ3:動画の長さへの思い込み
基本的には30秒〜1分程度の短い動画が好まれます。
これは事実です。
ただし興味を持った企業、つまり志望度が高い企業に対しては1分以上の動画も見てもらえることが分かりました。
さらに内定段階でも、1分以上の動画を見たいという人が55.8%いました。
「短ければいい」「長い動画は見てもらえない」という思い込みは危険です。
求職者の関心度合いによって、求められる情報量は変わります。
これが第3のギャップです。
第3章 応募を見送られる理由が教えてくれる、効果的な動画の条件
なぜ動画を見ても応募しないのか?理由トップ3
調査では、動画を見ても応募を見送った理由も明らかになりました。
第1位は「自分向けではないと感じた」
第2位は「内容を盛っている印象を受けた」
第3位は「判断するための情報が足りなかった」でした。
この3つを裏返すと、効果的な動画の条件が見えてきます。
条件1:具体的であること
抽象的な説明ではなく、具体的な1日の流れを見せることです。
実際に使っているツールや設備を映すことです。
現場の会話や音を入れることです。
こうした具体性が「自分が働くイメージ」を作ります。
形式的な説明よりも、リアルで等身大の情報が求められているのです。
条件2:信用できる根拠があること
「盛っている」と思われないために必要なのは、数字と実名です。
採用実績、育成制度、評価の具体例を示すことです。
実際に働いている人の名前や取引先の情報を出すことです。
調査結果によれば、出演者は「現場の中堅社員や管理職」が最も支持されています。
理由は明確です。
彼らの言葉には具体性と信頼性があるからです。
さらに効果的なのは、役員・社長のビジョン、若手社員の等身大の声を組み合わせることです。
複数の立場の人が出ることで、見ている人が「自分に近い誰か」を見つけられます。
信頼は肩書きや編集の美しさから生まれるのではありません。
語る内容の具体性と、語る人の当事者性から生まれるのです。
条件3:情報が新しいこと
古い情報では判断材料になりません。
年度、体制、募集職種など
常に最新の状態を保つことが重要です。
具体的に、根拠を明確に、情報は新しく。
この3つが、応募を見送られないための必須条件なのです。
第4章 2025年、効果を上げる採用動画の5つの原則
原則1:求職者の段階に合わせて、複数の動画を用意する
完璧な1本を目指してはいけません。
求職者の関心度合いによって、必要な情報量は違うからです。
まだ会社を知らない段階では、30〜60秒で要点と特徴を伝えます。
比較検討している段階では、1〜2分で1日の流れやチームの連携を見せます。
応募を決めようとしている段階では、2分以上で評価制度や育成の実績を示します。
段階に応じた複数本の動画を用意することが、限られた接触機会を最大化する鍵です。
原則2:いろいろな立場の社員に出演してもらう
若手、中堅、管理職、社長
—それぞれの視点で語ってもらいます。
見ている人が「自分に近い人」を見つけられるようにするためです。
職種やキャリアの段階が異なる社員が出演することで、求職者は自分を当てはめて見ることができます。
これが「自分ごと化」につながります。
原則3:ターゲットの世代が動画を見る場所に配信する
20代向けならXも活用します。
30代向けなら公式サイトでの情報の見せ方を工夫します。
40代向けならYouTubeを強化します。
一律の配信戦略ではなく、ターゲットの世代に合わせた最適化が必要です。
原則4:倍速で見られることを前提に作る
調査結果によれば、75%以上の人が1.25〜1.75倍速で動画を見ています。
これを前提に作らなければなりません。
短い文章で要点を伝えることです。
テロップ(字幕)は短く、読みやすくすることです。
倍速でも内容が理解できる構成にすることです。
論点をブロックごとに区切り、BGMをつけるべきかも配慮します。
倍速視聴は今や標準なのです。
原則5:具体的に、根拠を明確に、情報は新しく
この3つが応募見送りを防ぐ最大の防御線です。
形式的な説明より、リアルで等身大の情報を提供します。
- 内容を具体的に:1日の流れ、タスク、ツール、会話、現場音。
- 根拠を明確に:数字(採用・育成・評価の実績)、実名(登場人物・取引先)。
- 鮮度を保つ:年度表記、体制変更、募集ポジションの最新化。
この3要素を徹底することで、求職者の判断材料として機能する動画になります。
まとめ:形だけの採用動画から卒業する
今や採用動画は「会社を良く見せるツール」ではありません。
求職者が「自分に合うか見極めるツール」なのです。
限られた接触機会(2〜3本)でも、選ばれる理由は作れます。
カギは、求職者の視点で段階的に設計された複数本の動画です。
高額な予算をかけた1本の完璧な動画より、求職者の知りたいことに答える複数本の素朴な動画の方が、採用成果につながる時代になりました。
あなたの会社の採用動画は、求職者の見極めを支援していますか?
もし答えが「分からない」なら、今こそ動画戦略を見直すタイミングです。
参考:株式会社moovy「【採用動画トレンド調査2025】採用動画は「認知から内定承諾段階にまで」効果あり!求職者の8割以上が見る時代」
https://company.moovy.jp/column/2046/





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