「うちの会社、知名度も低いし大企業に勝てない…」 そんな中小企業が今、独自の魅力で採用大成功を収めています。 謎解き説明会で応募者10倍、野球採用で話題沸騰など、驚きの6社事例をご紹介します。
【事例1】ゲーム感覚で企業文化を体験!謎解き脱出説明会で応募者10倍増
大阪の製造業、ハカルプラス株式会社が実施したのは、日本初の「謎解き脱出説明会」でした。
参加者がチームを組んで謎を解きながら企業について学んでいく、エンターテイメントのような選考方式。
これが大当たりして、説明会参加者が前年比約10倍の216名に急増したんです。
H社が大切にしている企業文化は「何事にも興味を持って行動し、変化を楽しめること」。
説明会の形式そのものが、まさに同社の価値観を体現していました。
結果として最終的に9名の内定承諾を獲得し、ABC朝日放送やテレビ大阪でも報道されました。
採用プロセス自体を「自社らしさ」の表現手段として活用した好例ですね。
【事例2】「日本一かっこいい八百屋」八百鮮の徹底した自分らしさ採用
大阪の八百屋チェーン・株式会社八百鮮は「八百屋を、日本一かっこよく」という強烈なビジョンを掲げています。
髪型・髪色・服装は完全自由、ピアスもOK。
一般的なスーパーとは真逆の、自由で個性を大切にする職場環境を実現しています。
採用サイトでは「普通の仮面を被った変人たちが集まるのがここ、八百鮮」と自分たちの個性を隠さず表現。
「大手っぽい安定を求める人」は最初から採用対象外と明言しています。
この明確な採用基準が結果的にミスマッチを防ぎ、定着率94%という驚異的な数字を実現。
新卒2年目で仕入れチーフに抜擢するなど、若手の早期活躍も可能にしています。
【事例3】建設業界の常識を覆す!後藤組の「全員DX」戦略
山形県米沢市の後藤組は「全員DX」をキーワードに、建設業界のイメージを根本から変えています。
建設業界といえば「きつい・汚い・危険」の3Kイメージ。
でも後藤組は「最新技術を駆使するスマートな建設会社」としてのブランディングを徹底しました。
現場の長時間労働や紙作業を一掃し、デジタル技術を積極導入。
こうしたDXの取り組みを採用サイトやSNSでアピールすることで、IT技術に関心のある若手層からの応募が大幅に増加しました。
経済産業省「DXセレクション2025」最高賞(グランプリ)受賞という成果も、企業の信頼性向上につながっています。
【事例4】伝統技術の新しい形!原田左官工業所の女性職人育成戦略

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東京都文京区の有限会社原田左官工業所は、従業員約60名の左官工事専門会社。
伝統技術と現代建築を融合した「提案型左官」で業界に新風を吹き込んでいます。
最も印象的なのは、女性職人の積極的な採用と育成です。
左官業界の平均年齢は60歳と高齢化が深刻な中、独自の親方制度と丁寧な指導で継続的な若手育成を実現。
インターン制度やアトリエ設置など学習環境を整備し、毎年新入社員3名程度の安定採用を継続しています。
「女性でも活躍できる左官の世界」という明確なメッセージが、新たな人材層へのアプローチを可能にしています。
【事例5】共通の趣味で結ぶ絆!サンチャレンジの「野球採用」
神奈川県横浜市の人材派遣・コンサルティング業、サンチャレンジ社は「野球が好き」という情熱を採用の重要な判断材料にしています。
社員に野球好きが多いことから、共通の趣味を通じて育まれるコミュニケーションやチーム結束力に着目。
一般的な志望動機より野球への情熱を重視する採用を実施しています。
野球採用専門のウェブサイトを立ち上げたところ、わずか4日間で10名の応募があったという実績も。
現代の求職者が重視する「誰と働くか」という価値観に応える取り組みで、入社後も仕事と野球を両立できる環境が社員満足度向上につながっています。
【事例6】年齢を強みに変える!カスタムメディカル研究所のシニア活用戦略
神奈川県の医療・介護サービス業、カスタムメディカル研究所が打ち出した「70歳の体操のお兄さん」というキャッチコピーが話題になりました。
高齢化社会の課題を逆手にとって、シニア世代の豊富な経験や人生の知恵を企業の強みとして活用。
個々の得意分野を見極めて役割分担し、未経験シニアも手厚くフォローする体制を整えています。
特別な広告費用をかけずに採用活動を成功させ、テレビなど多くのメディアで取り上げられました。
実際に70代スタッフが活躍し、職場内に世代を超えた連帯感を生み出しています。
社会的課題を企業の「らしさ」として昇華させ、採用力に転換した発想の転換が印象的ですね。
成功の秘訣!「自社らしさ」採用を成功させる5つのポイント
これまでの事例から、成功企業に共通する5つのポイントをお伝えします。
1. 明確なビジョンと企業理念
「なぜ存在するのか」「何を実現したいのか」が明確な企業が成功しています。 社員が誇りを持てる理念があることで、同じ価値観を持つ人材が自然と集まります。
2. 働きやすさを数字で証明
「働きやすい」と言葉で伝えるだけでなく、具体的な数字で示すことが重要。 数値化することで求職者の納得感が高まります。
3. 独自の技術・専門性をアピール
他社との明確な違いを打ち出している企業が採用でも優位に立っています。 「うちにしかできないこと」を伝えることで、やりがいを求める人材を引き寄せられます。
4. 多様性と柔軟性を重視
従来の業界常識を打ち破る柔軟さが若手人材の心を掴んでいます。 「自分らしく働けそう」と思ってもらえることが大切です。
5. 継続的な情報発信
週1回以上の定期的な情報発信を続けることで認知度がアップし、採用成功につながります。
まとめ 「らしさ」こそが中小企業の最強の武器
ご紹介した6つの事例を見ると、どの企業も大企業と同じ土俵で勝負していません。
謎解き説明会、野球採用、シニア活用、女性職人育成。 どれも大企業では実現が難しい、中小企業ならではの取り組みばかりです。
規模が小さいことや知名度が低いことは、決してハンデではありません。
小回りが利く中小企業だからこそできる「らしさ」の表現があり、それに共感してくれる人材は必ず存在します。
大切なのは、自社の価値を信じて求職者に正直に伝え続けること。
「らしさ」採用は継続的に取り組むことで、必ず結果がついてきます。
皆さんの会社にも素晴らしい魅力がきっとあるはず。
それを見つけて上手に伝えることで、理念に共感する人材との出会いが待っていますよ。
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