映像制作スタッフを野球のナインにたとえると
ピッチャーはカメラマンだと思います。
あくまで映像として記録されるのはカメラマンが撮っている「絵」なのです。
私のようなディレクターは、いわばキャッチャーの役割です。
キャッチャーは「司令塔」とか「グラウンド上の監督」と言われます。
ピッチャーに対しては、キャッチャーはリードする立場です。
サインで次に投げる球を指示しますが、これと同じような関係がカメラマンとディレクターの間にあります。
見ている方向がちがう
もうひとつ。ディレクターがキャッチャーだと思うのは、ひとりだけ別の方向を向いているところです。
内野手、外野手、そしてピッチャーはすべてホームベースの方を向いてプレーをします。
一方、キャッチャーはひとりスタンドの方を向いてプレーをするのです。
カメラマンをはじめ、映像制作スタッフはすべて、制作にかかっている映像に集中して作業をしています。
ディレクターはそれと目的を共有しつつ、作り出された映像がもたらす使用メリット、ビジネス上の効果を見ています。
これはキャッチャーがバッターとほぼ同じ方向を向いているのと似ています。
バッターはいわばクライアントです。
監督はプロデューサー
ちなみにディレクターはよく現場で「カントク」と呼ばれることがありますが、野球の監督とはまったく違います。
野球チームの監督は、映像制作の現場でいえばプロデューサーだと思います。