まずは尺を決めよう

連載をはじめるにあたって、どのような映像のシナリオのまとめ方を取り上げるか、考えました。

まず一番に考えたのは尺です。
あ、いえ尺というのは「時間的な長さ」のことです。一般的に映像制作業界ではそれを「尺」と呼びます。

なぜ尺かというと、その昔映画業界ではフィルムで映像を撮っていました。
映画フィルムは一秒間が24コマというのが基本です。時間が増えるということは、フィルムが長くなるということです。
そのため、欧米の映画界では時間の長さを「feet(約30㎝)」であらわしました。
それが日本に輸入された時、ほぼ同じ長さである「尺」に変わったというわけです。
(これ以外にも、映画業界には尺貫法がまだ根強く残っています)

閑話休題。

次第に短くなる尺

商業映像の長さは、時代によって変わってきました。短くなる傾向にあります。

私が映像制作業界に入った頃は、フィルム時代の最後のほうでしたが、まだPR映画というものが残存していました。
16mmフィルムなどで撮影して、映画として仕上げた商業映像です。
この時代は、30分とか45分のPR映画がごく普通でした。
まだ、のんびりした時代だったのですね。

時代が進むにつれてテンポが早くなってきています。
今だと10分以内の商業映像が多いでしょう。販促的なものはなおさらです。

私が販促映像としておすすめしているのは、長くても7分以内。できれば5分程度です。

見る姿勢と尺

これは、視聴するシチュエーションにもよるでしょう。

たとえば商品説明会を開いて、お客さまに着席していただき、前方に大きなスクリーンを設けて、室内を暗くしてプロジェクターで上映する。
そういうシチュエーションならば、10分の映像でも見ていただけるでしょう。

逆にWebページに貼り込むWeb-CMみたいなものなら、2分が限度じゃないかと思います。
有名タレントが登場するとか、特撮やCGを用いて映画みたいに仕立てるとかなら、話は別ですが。

そういうことを考えると、5分というのは汎用性が高いのです。
商談の時でも「5分くらいなら、まあいいか」と思って見ていただけるケースが多いと思います。

なので、今回は5分の販促映像(商品販促)として、まとめ方を提示していきたいと思います。

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