対象とする人々

シナリオさて、この連載は決してプロの商業映像シナリオライターを育成するためのものではありません。
では、どういう人々を対象にしているのか?

まずは、自分たちで商業映像を作ろうとしている人たち。
たとえば、企業の販促担当者で外部の業者に発注せずに自分たちで販促映像を制作しようとしている方々です。
今はビデオカメラは家庭用のものでも高画質ですし、デジカメでも、スマホでも動画を撮影できます。
パソコン上で映像は簡単に編集できますから、やる気さえあれば自力で販促映像を作ることはできます。
そのための映像の技術的な情報は、インターネットで検索すればいろいろ出てきます。
しかし、映像の設計図であるシナリオをどう書いたらいいのか、そういう情報は少ないです。

また、映像制作業者に発注するために自分でシナリオ(ないしはその叩き台)を作らざるをえなくなった方々。
映像制作業者と直接知り合う機会は少ないでしょうが、今はインターネットで検索すればいろいろ業者は出てきます。
価格重視で業者を選定した場合、「シナリオはお客さまのほうで作成してください」と言われることもあるようです。
シナリオ作成まで請け負ってくれる場合も、どうにも満足のいかない出来のものを提示されることもあるでしょう。
特に激安価格をうたっている映像制作業者に依頼された場合、そういうことがあるようです。
激安で制作業務をするには、シナリオ作成のような時間のかかる業務はさっさと終えたい、ということが理由にあるでしょう。

初心者でも商業映像のシナリオが作れるように

企業の担当者の方であれば、商品についての知識は豊富に持っているか、得られるでしょう。
であれば、インプットは問題ない。問題となるのは、アウトプットのしかたをご存じないことですね。

それは当然のことです。日本の小中高等学校教育の中に映像の作り方という授業はなかったはずですから。

そこで、そういう方々でもとりあえず映像のシナリオを作ることができるようにという限定されたノウハウを書いていきます。
誤解しないでいただきたいのですが、これがプロの商業映像シナリオライターの技のすべてではありません。

プロ野球のピッチャーなら、直球の他にいくつかの変化球を投げることができます。
直球だけでも、三振をとる剛速球もあれば、臭いコースをついて内野ゴロに打ち取る緩速球もあるでしょう。
でも、そうした球の投げ方を野球少年に教えてもしかたがありません。
ここでは、普通の肩の持ち主なら、ストライクゾーンに直球を投げ込める投法をお教えするつもりです。

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