深刻な人材不足に直面する日本企業にとって、外国人人材の採用は急務となっています。
しかし、外国人が日本で働きたいと思う割合は年々減少しています。
この状況を打開するカギは「動画」にあります。
言語の壁を越え、職場の魅力を直感的に伝える動画コンテンツこそが、外国人材採用成功の新たな武器となるでしょう。
第1章 外国人向け求人動画に取り組む企業の先進事例
動画を活用した外国人向け採用に、すでに取り組んでいる企業があります。
株式会社soeasyでは、インドネシア人求職者と日本企業をつなぐユニークなサービスを提供しています。
出典:PR TIMES「動画とインフルエンサーの力で、”伝わる”採用と”活躍できる”職場環境を創出」
同社が運営するInstagramアカウント「soeasy jepang」は、13万人以上のインドネシア人にフォローされています。 このアカウントでは、所属インフルエンサーのマルシャさんが実際に日本の企業を訪問します。
職場の雰囲気や仕事内容、スタッフの声をストーリー仕立ての動画で紹介しているのです。
もちろん、インドネシア語による字幕や翻訳も利用しています。
文章だけでは伝わりにくい職場の雰囲気を、動画とインフルエンサーの語りで届けています。
これにより、応募者の理解促進と応募意欲の向上を実現しているのです。
第2章 動画は現代の国際共通言語
動画は、まさに一種の国際共通言語といえるでしょう。
映像は言語を越えたコミュニケーション手段だからです。
表情、身振り手振り、職場の様子など、文字では表現できない情報を瞬時に伝えることができます。
もちろん、音声や字幕は言語の縛りを受けます。
しかし、これらは翻訳や吹き替えによって、比較的容易に国際化できるのです。
さらに、AIの発達によって状況は劇的に変化しました。
翻訳や吹き替えの作業がAIサービスによって飛躍的に簡単にできるようになったのです。
以前なら専門業者に依頼していた多言語化も、今では中小企業でも手軽に内製化できる時代になりました。
第3章 日本への就労意欲が低下する外国人材

一方で、外国人の人材にとって日本は必ずしも働きたい国ではなくなっている傾向があります。
Business Insider Japan の調査によると、日本は「外国人が住みたい・働きたい国」ランキングでワースト6位という厳しい結果でした。
特に「定着の容易さ」で世界58位(ワースト2位)となり、多くの外国人が日本の独特な文化になじむことの困難さを指摘しています。
さらに深刻なのは、パーソル総合研究所の「グローバル就業実態・成長意識調査(2022年)」の結果です。
働いてみたい国として「日本」を選ぶ率が、タイ、フィリピン、ベトナム、台湾で10ポイント以上も低下していることが明らかになりました。
これは、日本企業にとって非常に憂慮すべき傾向といえるでしょう。
また、同調査では「働きたい地域はない(自国のみで働きたい)」という回答が日本で最も高く、約5割に達しています。
つまり、日本人自身も海外で働くことに消極的な一方で、外国人からの人気も下がっているという二重の課題を抱えているのです。
第4章 外国語動画が切り開く外国人材採用の未来
今後は、外国人の優秀な人材を獲得するためにも、外国語の音声や字幕を入れた採用動画を作ることが当たり前になるでしょう。
たとえ翻訳を利用しても、従来の文字中心の求人情報では職場の雰囲気や企業文化を十分に伝えることができません。 しかし、動画なら実際に働いている人の表情や職場の空気感をリアルに伝えられます。
これは、文化的背景の異なる外国人材にとって、非常に重要な判断材料となるのです。
外国人材に対しても、自分の会社の魅力をしっかり伝えることが重要になります。
日本で働くことの具体的なメリット、そして日本で暮らすことのベネフィットを分かりやすく示す必要があるでしょう。
例えば、実際に働く外国人スタッフのインタビュー動画を制作することで、同じ境遇の求職者に安心感を与えられます。
研修制度や福利厚生の説明も、動画なら具体的にイメージしやすくなります。
こうした取り組みによって、優秀な外国人材に「この会社で働いてみたい」と思ってもらえる可能性が高まるのです。
グローバル化が進む現代において、動画は国境も言語も超える強力なコミュニケーションツールです。
日本企業が世界の優秀な人材を惹きつけるためには、この新しい武器を積極的に活用していく必要があるでしょう。
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