何の変哲もない4面割ですが
何の変哲もない4面割ですが

取り出しましたるは単なる4面割の画面。小画面はそれぞれ40%の大きさにして、背景として青のグラデを敷きました。これをFusionで作ってみたいと思います。

いや、これくらいEDIUSやPremiereなどのノンリニア編集ソフトでもちょちょいと作れるものですが。

基本4面01

こんな感じになります。

上にふたつプレビュー画面があってノンリニア編集ソフトを思わせますが、それ以外はほとんどなじみのない画面構成ですよね。

Fusionのキモはプレビュー画面の下にみえるノード群(Flow windowと呼んでいます)です。

基本4面02

 

何がなんやらわかりませんか?そうですか。

ではここで、After Effectsでこの4面割を作った時の画面をご覧いただきましょう。

After Effectsだとこうなる
After Effectsだとこうなる

少しはなじみがありますかね?一番下にグラデーションのエフェクトをかけた平面レイヤーがあり、その上に4つの映像のレイヤーがあります。映像レイヤーのサイズや位置はプロパティで調整してありますので、レイヤーのプロパティを広げないと見えてきません。

プロパティを広げるとこう見える。
プロパティを広げるとこう見える。

広げてみると、ここに設定してあるわけですね。

さてFusionに戻ります。やってることは同じですが、表現が違います。

それぞれのノードの機能を書くとこうなる。
それぞれのノードの機能を書くとこうなる。

一番左の列はLoaderというツールで素材を読み込んでいます。素材の読み込みといった基本的な機能にもツールを使うのがFusionの流儀です。

次にTransformというツールで各面の位置とサイズを設定しています。AEだとプロパティで出来ちゃうのですが、こういった基本的な変更もわざわざツールを使って明示的に行なうのがFusion流です。

次に、一番下にグラデ背景を作るBackgroundというツールがあり、その上にMergeというツールが4つ縦に並んでいます。背景はわかるにしても、MergeというツールはAfter Effectsにはありません。

Mergeというのはアルファマットがらみの合成を行なうツールです。AEだと、レイヤーを重ねていれば、透明部分は透けて下のレイヤーが見えますので、意識する必要がありません。AEはもともとアニメーションの撮影台にセル画を重ねるイメージで作られているのでそうなっています。

Fusionでは、Mergeというツールでひとつひとつ合成していることを明確にあらわします。

merge

ここで注意しなければならないのは、MergeにはBackground(背景)とForeground(前景)の入り口があり、つなぎ方によって違った結果になるということです。

基本Fusionのノードは三角が入力、四角が出力の端子になっているのですが、Mergeではオレンジの三角が背景の入力端子、グリーンの三角が前景の入力端子となります。他にパープルの三角もあり、これはエフェクトマスクを入力するものらしいですが、私はまだよく使い方がわかりません。

なので、背景をオレンジ三角(背景入力)につなぎ、Transformの出力をグリーン三角(前景入力)につなぎます。二個目以降のMergeでは、ひとつ前のMergeの出力(合成結果)を背景につないで、次々と合成をしていきます。

ちなみに、Fusionの画面には、標準状態で上にふたつのプレビュー画面がありますが、そこにどの段階の絵を出すかは、各ノードの下にマウスカーソルを持ってくと出てくる三つのドットをクリックすることによって選択できます。

プレビュー選択

左のドットをクリックすると白くなって左のプレビュー画面に、真ん中のドットをクリックすると右のプレビュー画面にその段階の絵が表示されます。右側のドットは、Blackmagic Design製の映像出力ボードに絵を表示させる選択です。(ボードが入ってないとどうなるのか、はわかりません。ドットが二つになるんですかね?)

ちなみにプレビュー画面はいくつでも増やせます。そのたびに並んでいるドットの数が増えるようです。

で、元へ戻って、最後のMergeツールからSaverというファイル出力のためのツールに接続されています。このツールがないと、合成結果をAVIファイルなどに書き込めません。Saverはいくつでもつなげますので、合成結果をAVIとMP4に同時に出力、といったこともできます。

ところで、最初にお見せした縦並びのノード画面。これはAEと対比しやすいようにわざと縦に並べてみたものです。一番下に背景があって、その上に上にと重ねていくイメージですね。

本当のFusionの流儀だとこうなります。

移動4面01

ノード部分をアップにすると、こう。

移動4面02

基本、左から右に処理が流れていくイメージですね。

こちらのほうが縦の幅もとりませんし、見やすいですね。

ちなみに、このノード、見やすいように広げてあるんですが、追加した時はもっと細長いイメージです。右クリックして「show→show tile picture」すると縦に広がります。

だいたいノードベースのインターフェイスとはどんなものか、おわかりになりましたでしょうか?