映像は見せる順番が大切

私が映像を作る立場として、いつも一番大事にしているのは「見せる順番」です。

どの映像の次にどの映像を見せたら、一番理解しやすいか。違和感なく受け取ってもらえるか。不自然さを感じさせないか。
いつも、そんなことを考えながらシナリオを作ります。

よく、素人さんの撮ったビデオに欠けていると指摘される映像。
それは「外観、その場を広く撮った映像(ロングショット)、状況をあらわす映像」です。

たとえばイベントを撮っているのに、ステージばっかり撮っていて、どこでやっているイベントなのか、周りの観客はどんな反応を示しているのか、さっぱりわからないビデオ。

イベントであれば、まず会場の外観を見せたほうがいいでしょう。
大きなコンベンションセンター? ホテルの大宴会場? ショッピングセンターのイベント広場? どんな会場でやっているのか。

イベントの看板を見せれば、それがどんな種類のイベントであるのかがわかります。
国際的な見本市なのか、業界の展示会なのか、プライベートショーなのか。

入場していく来場客を見せれば、どれくらいの賑わいなのかがわかるでしょう。

こうして順番よく映像を見せていけば、補足説明が何もなくてもわかりやすい記録映像が作れます。

商品を見せる順番

家とイベントのたとえで話をしましたが、では商品の場合どういう順番で見せていくのがよいのでしょうか?

これは商品の性質にもよるので一概に言えないところがあります。

しかし、多くの場合「外(外観・使用シーン・結果)から中(機能・構造・原理)へ」です。

まず、外観を見せ、それを使っているところを見せるといいのじゃないでしょうか。
それで視聴者はどんな商品なのか理解できます。
使っているところを見せると、その商品を使ったことによる結果(効果)も理解できます。

そこまで、細かい機能や構造の話などには触れず、外回りの映像だけで見せていったほうが理解しやすいです。

そして、視聴者が理解できたな、と思うタイミングで、中へと進む。
つまり、機能の詳細であるとか、どういう構造になっているのかとか、どういう原理で効果を発揮しているのか、ということを見せていきます。

反対だとわかりにくくなってしまうのは、家のたとえと同じですよね。

次項「映像の『まとまり』」に続く

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