物語の基本は「起承転結」である、とよく言われる。
起とはオープニング。何か事件が起こる。
承とはこまごました描写で物語が進んでいくこと。
転で、その物語がいっぺんひっくり返る。
結で、物語が締めくくられる。
本格ミステリーなどはこれでいいんですけどね。
物語(ストーリー)全体に適用できるかといったら、それはどうかと。
特に、私などが専門としてきた、広告・広報ビデオなどにはこの原則は当てはまらない。
どこが当てはまらないのか、といったら「転」の位置ではないかと。
「転」とは価値観をひっくり返すこと。
「承」で延々と説明してきたことをひっくり返したら、締めくくれない。
ならどうするのか?
むしろ「起転承結」のほうがしっくり来る。
起はツカミだ。視聴者の心をこちらに向けさせる。
疑問を呈してもいい、共感を訴えてもいい。
その後で、ひっくり返す。これが「転」だ。
何をひっくり返すのかというと、既存の価値観。
一度、ひっくり返しによって視聴者をびっくりさせる。
商品を紹介するのなら、その商品の画期的な部分を、強調して訴える。
「えっ!?そんな商品が、あるの?」と驚かせたら、後の訴求がスムーズに行く。
その後でどういう特徴があるのか、紹介・説明をする。これが「承」
クロージングである「結」は結論。これは「転」を受ける。
つまり、それがどんなに画期的な商品であるのか、世の中をどう変えるのか、というメッセージ。
これで構成が一丁上がり。
もし「転」がツカミとしても行けるのなら、「起」を省いて「転承結」でもいい。
こういうストーリーが書けたら、たぶんその映像は成功する。